お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

多田富雄著「残務整理ー昭和の青春」

今日は雨は降るし、放送大学は休みだし、月曜日も開いているカレードで読書の時間にした。何冊か手に取ったが、印象に残ったのは、多田富雄著「残務整理ー昭和の青春」で大活字本を読んだ。氏の青春時代に知己となり、人生の友となった放蕩児物語ともうかがえた。

故多田先生は一つ年上の同時代人なので、書かれているその舞台背景がよく分かる。医者になるために医学部に進学するが、当時は医学部に合格しても、医者になれるとは限らなかった。進学しても2年間の教養課程があり、また試験があって、ふるいにかけられた。放蕩児仲間ができたのも、その間のことだった。多田先生もあきらめて、故郷へ帰ったが、望外にも合格し、のちに東大医学部教授にもなった。

亡母はわがを医者にしたかったらしいが、まったくその気はなく、文系に進学した。わが人生の友ともいえる、頭はあまりよくないが、人のいい医者の息子Yは、日大の医学部に進んだが、上にはいけず、おそらく伝手か、岩手医大を出て、いまも浅草で開業している。高校時代から彼の家庭教師的存在だったわがは、大学でもドイツ語の宿題を代わりにしたりした。

Yは父親の願いを入れて、絶対に医者になると念じていた・・・そしてその通りになった。