お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

テルだった

夜はめったにないのに、昨夜は9時過ぎに電話があった。緊急電話かと思いきや、それはめずらしい人からで、テルだった。

テルは教え子で、そう呼ぶのも当時のまま。わがは卒業とともに新米教師となって、島にわった。はじめて教えた生徒で、しかも特長のある子どもは、のちのちまでも、記憶に残る。テルはその一人、元気で明るく、目立ちがり屋で人なつこかった。

たいていの人は、学校時代にいろいろな先生に習っていても、成人してその先生に電話をすることはないだろう・・・よほど世話になった以外は。テルに対して、わがは大したことはしてない。ただ夏休みにキャンプに連れて行ったことぐらいだった。

もう60年も前のことなので、テルも72歳になる。ヤクザの道をたどったタローのことを聞いたら、死んだとのこと。別に何か用があって電話してきたわけではなく、わががまだ元気でいるか、気にしてくれたにちがいない・・・