お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

自分史7

父が逝ったのは、小学2年の時で、その死に際にいたのが母と私だけだった。正確には私だけだった。12月のことで、父は酒が好きで、昼食にどぶろくを飲んで、こたつで横になって昼寝をしていた。その向かい合わせに私が一人いたのである。
そして、いつもにない高いびきをかきはじめた。私が呼んだと思うが、台所にいた母が気が付いて、父を呼び起そうとしたが、眼を覚まさないまま逝った。
好きな酒を昼間から飲んで、昼寝し、そのまま逝ったのだから、本望といえるかもしれない。ただ享年57歳と、今にしたら若すぎるが、75年も前のことである。

父は静岡県の山梨県境の山村に生まれ、次男のため、東京に出て苦学して中学を出てから、鉄道郵便に入った。浜松の宿屋で女中をしていた母と巡り合い、渋谷に居を構えて、二人は5人の男子をもうけた。
その末っ子が私である。経緯は聞かされなかったが、鉄郵を止めて、縫製業をはじめた。とても器用だったと思われるが、私は似なかった。
しかし、この父のことは、ただ怖かったという印象しか残っていないのは残念である。

今日の頂き物は、東京へ出張してきた息子からもらった、東京ばななのお土産。