お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

69年目になる日

今日は母親が逝って、69年目になる日。家で死んだ。中学2年の時で、学校に行っていて、死に際には会えなかった。
母の人生は、どうだったのだろう。本人と兄から聞いた話は・・・
明治24年7月30日沼津の農家に生まれた。兄二人の3人兄妹だった。18歳で原の酒造家に嫁した。一児をもうけた後、離縁した。
その訳は知らないが、子どもの私に「さびしくて、さびしくて・・・」と語ったところからすると、赤ん坊を連れて、飛び出してきたのではないか。赤ん坊は後に酒造家の跡継ぎになったが、母はその写真を死ぬまで、隠し持っていた。
そして、死に際になって写真を次兄に託した・・・私は母が子どもを産んだことも知らないし、ましてその写真ことなど知る由もなかった。また見てもいない。
次兄はその父違いの兄に会いに行ったというが、別人のようだったという。

母心というのか、手放したわが子をずっと忘れられず、死に際まで写真をずっと隠していた。再婚して男5人を生んだが、生前中はその秘密を明かすことがなかった。