お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

ダンスの話

今日はダンスの講義を視聴した。「ダンスの現在」というテーマで、モダンダンスとかコンテンポラリーとか呼ばれるダンスで、これまで全く無縁の世界の話だったが、目から鱗がまた一片落ちた。

講義は、18世紀のヨーロッパで「芸術」という言葉が生まれたが、ダンスは20世紀初めまで芸術のジャンルには入らなかったという話にはじまり、芸術の最重要条件が「創造」で、ダンスも絵画や音楽と同様に「新しい形式」を追求してきたが、80年代に入って「ポストモダニズム」という新しい風潮が芸術の世界に生まれ、今日のコンテンポラリーダンスに至ったと説いた。

ポストモダニズムの思想は、進歩史観の終わりをつげるとともに、「創造」という強迫観念から解放し、「なんでもあり」の時代をもたらした。芸術であるための基準はなくなった。雨後の竹の子のように生まれた、さまざまなダンスの中で、講師は二つのダンスに」注目した。土方巽の「暗黒舞踊」とピナ・バウシュの「タンツテアター」。

講師はピナ・バウシュの舞台を観て人生が変わってしまった人を何人も知っているという。そういう影響力をもった芸術家を他には知らないともいった。
ダンスが、観客が自分自身を再発見するための媒体になるという、一つの極点に到達したという話でした。