今日も雨で、ちょっと買物に出たほかは家に閉じこもりの生活で、ネット配信の放送大学講義の視聴と自転車こぎとごろ寝で一日が終わった。
講義は「文化とは何か」の問題で、その定義は文化人類学者の数だけあるといわれるほど多様で、決定的な説はないという。その中で講師は代表的な古典的定義としてタイラーの「知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣習、その他、社会の成員としての人間によって獲得されたあらゆる能力や習慣の複合的全体」を上げた。
そして講師自身は、食文化を例に講じて、文化をある時代にある場所で生きる人々を外から見たときに、その人々によって後天的に学習され、世代を超えて継承されつつ、意図的あるいは意図されずに変ってゆく目に見えるもの(相互行為や社会制度、建物や道具などの物質的所産)と目に見えないもの(存在論や価値観や思考の論理などの観念)の変異を含むパターンとしてあらわれるが、その人自身には生理的にも心理的にも自然化された「生き方」であると定義した。
文化に優劣がないのに、自分たちの生き方がいちばん優れているとして、他者を下にみる「自文化中心主義」が人類史で大きな問題となってきたという。アメリカの人種差別問題、中国のウイグル人圧制問題などいまも現に起きているのではないか・・・