お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

加賀れんこん

Oさんから加賀れんこんをいただいた。何でも奥さんの妹さんが嫁いだ先が作っているそう。毎年お歳暮の時期にお二人で、わざわざ我が家まで訪ねてこられる。

れんこんの収穫は、見た目だけでも、たいへん。この寒くなった季節に泥沼の田んぼに入って掘り取る。

当然高価だから、自分たちだけで食べてはバチが当たる。近しい方々にお裾分けする。

加賀れんこんは肉厚で粘りがあって、とてもおいしい。私は酢れんこんにしてもらうか、煮てもらう。さくさくと歯ごたえもするから・・・歯が悪いくせに、歯ごたえのあるものが好き。

母親が健在だった子どもの頃、12月になると、必ず正月料理に煮物を作って、大皿にならべた。
にんじん、ごぼう、豆・・・どれもうまかったが、とくに好きだったのが、やつがしらとれんこんだった。

今は、家内の味に慣らされてしまったが、子ども心に、母親の作ったものは、何でもうまかった。
それは身体にしみこんでいて、意識はしないが、れんこんを食べると、おふくろの味につながるのだろうか・・・

60年以上もむかしのことが、すぐ頭に浮かび上がってくるから不思議だ。