お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

わが人生の宝

今日は終戦74年の日を迎え、テレビに流れる全国戦没者追悼式を前に黙とうを捧げた。毎年この日を迎えると、当時のことを思い出さざるをえない。
この日を、学童疎開先であった富山県の金山村のお寺で迎えた。小学5年の10歳だったから、よく覚えている。雑音ばかりの玉音放送で何が何だか分からなかったが、涙する大人の姿で、日本が負けたことを知った。東京へはすぐには帰れず、10月に入ってからだった。わずか半年あまりの集団生活だったが、この生活体験がわが人生の宝になったといえる。

育ちざかりの時に、飢餓と不潔を体験したのである。いつも腹をへらしたままで、飢えていた。そして身体はノミとシラミの巣で栄養失調の状態。よく耐えてこれたと思う。
この体験があったからこそ、何を食べてもありがたく思え、ふつうに生活できることに幸福感をもつことができるようになったのだ。