お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

フィリピン先住民の話

今日の講義はフィリピン先住民アエタ族の話だった。それも同じ1991年に雲仙普賢岳の600倍ともいわれるピナトゥポ火山の大噴火に遭遇して、その自然災害から立ち上がった話だった。
その大噴火は20世紀最大規模といわれ、噴煙は上空40キロにも達したため、地球を覆い、、北半球の気温を0.3度ほど下げたという。最も被害を受けたのが、山麓で暮らしていたアエタだった。

アエタは移動焼畑農耕を主とした自給自足生活をしていたが、近くに米軍基地ができてから、その影響を受けていた。特に大噴火を予想した米軍の情報により、大噴火の数日前からアエタ全員が一せいに山を下りて避難したため死傷者はでなかった。しかし皮肉にも、避難のテント生活で、衛生悪化によるインフルエンザと麻疹の流行により、免疫がなかったため、600人からが命を落としたという。

その後、政府が造成した再定住地に引越し、またNGOスタッフ、政府職員、市民らとの交流をとおして、自立生活者とし、先住民としての新たな自画像とフィリピン国民意識を作り上げていったとの話。

アエタの社会では、必要最小限のものさえあれば、それ以上得ようとあくせくしないという・・・見習うべきでは。