お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

二人のバアさま

その中に治ると思っていたが、鼻づまりがなかなか良くならないので、昔使ったことのある鼻の洗浄器を買うため、医療器械を扱っている店に行った。

金大付属病院の近くにある川端さんという店に入ったが、何かぱっとしない。店に人がいないので、呼んだら、奥の戸を開いて、バアさまが出てきた。

うちは看板は上げているが、もうしていないと言う・・・呑気なものだ。近くの鈴木さんという店がやっているといって、教えてくれた。
その上親切にも、店の前の歩道に私の車を停めさせてくれた。

歩いて、鈴木さんの店へ行った。ここも胡散だ。看板は出しているが、やっているのかわからない感じ。

やはり人がいない。大きい声を出したら、また奥からバアさまが現れた。奥に案内され、そこに狭くて乱雑な事務所があって、バアさまの座る椅子と電話を置いた机があった。

在庫はないから、注文するという。
分厚い、医療器械器具のカタログを開き、探しはじめたが、なかなか見つからない。それで索引欄を開いたが、字が小さくて、読めないという。

代わりに、私が探すことにした。難しい名前のついた器具だが、バアさまはちゃんと覚えていて、その名をいう。永年、この商売をやってきたようだ。

バアさま、この商売も大きな会社に押されて、昔からの小さな店はもうダメだと言う。

名前と電話番号を書いて、注文の器具が入荷したら、連絡してもらうことにした。


用水沿いの空き地に、私が植えたマンジュシャゲが、このまえから雑草の繁茂する中で、けなげに咲いている。雑草に負けないで咲いている。