先日の東京でのこと。Mと別れた後、地下鉄で有楽町まで行き、山手線に乗り換えた。
電車に乗って、吊り革に手を掛けたら、前に座っていた、年のころ40台のご婦人が立ち上がって、どうぞという。
二駅先の浜松町で下りるので「けっこうです」といったが、また「どうぞ」というので、素直に座った。
電車に乗って、初めて体験である。
座ってみて考えた。どうして高齢者と分かったのだろうか。
私は久しぶりの東京の雑踏を考え、用心のためマスクをしていた。そして愛用の帽子をかぶっていた。服装は、ブレザーの上にコートを着ていた。
見える顔の部分は、眼の付近だけだから、顔から老人と判断したとは思えない。
この愛用の帽子がヒントになったのだろうか・・・
それとも、全体の動作に現れていたのだろうか・・・
どちらにしても、高齢者と見られたのだ。
自分のことをもう若いとは思っていないが、人の眼にも、はっきり老人と映るという事実を思い知らされた。
まもなく浜松町に着いたので、「ありがとうございました」といって、席をたった。
これが現実だ。
家の紅梅がやっと咲いた。もう春だ。