お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

技術大国イスラエル

イスラエル問題第8回の講義は、ペレストロイカだった。

いまやイスラエルは日本に勝るとも劣らない技術大国に成長した。その原動力となったのは、ソ連からの軍事研究にたずさわっていたユダヤ人技術者の移住で、ペレストロイカを機に70万人ともいわれるユダヤ人が共産圏を抜け出した。
それまで、ソ連は、帝政ロシアの反ユダヤ主義(ポグロム)の影を引きずってか、政策的に在住ユダヤ人の海外出国を認めなかった。肩身の狭い思いをしてきたユダヤ人がアメリカよりはイスラエルを目指した。
それ以後のイスラエルのハイテク産業の発展はめざましく、テルアビブは世界の大都市に数えられようになった。
奇しくも、ロシアにおける反ユダヤ主義が日本に利した歴史がある。
日本が国運をかけて戦ったあの日露戦争で戦費がたりず、明治政府は戦時国債を発行して、買い手をもとめた。しかし大方の予想は日本の敗北で、なかなか売れなかった。
それを引き受けてくれたのが、アメリカのユダヤ人銀行家ジェイコブ・シフで、彼は帝政ロシアに対する報復の念に燃えていたからであった。おかげであの日本海海戦も戦えたのである。戦後シフが来日したときに、勲一等に叙して報いている。(シフの会社はその後リーマン・ブラザーズと合併した。)
日本はユダヤ人に恩義があるといっていい・・・アブラ寄りと皮肉るゆえんがあるわけである。