お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

ヴィーナスには二神

先日視聴したイタリア・ルネサンス美術の講義の中で、ヴィーナスには二神あるという話があった。

かのボッティチェリの名画「春」と「ヴィーナスの誕生」でいえば、裸が「天上のヴィーナス」で、着衣が「通常のヴィーナス」だとのことである。
海の泡から生まれた、天上のヴィーナスは、母(mater=物質)がなく、知性(mens)の内にある英知であって、画をみても分かるように、そのポーズは宙に浮いていて、地上のものではない。
一方、通常のヴィーナスは、ゼウスとディオーネから正常に生まれ、天上より低い領域(霊魂の世界)に住んでいるが、劣ったこの世のものを生み出す力を持っている。
また、母(mater)とは物質(materia)に関係している存在であるというのが面白い。母は子どもの身体(物質)を作り出すが、物質とは無縁の知性は、天(神)のはらきということらしい。
この話だと、クロ―ン技術によって、男なしで、女だけで人が生まれたとしたら、それは知性をもたない人間が存在するということになるのだろうか・・・今でさえ、変な人間がいるのに、恐ろしいことになる。

今日の頂き物は、外形ばかりのクッキー・・・飾っときます。