昨日のNさんのお話。
95歳になった母親が入院している。もう意識がないが、体がだいじょうぶなので、鼻からの管で栄養を摂っている。だいぶ長引いているので、病院側が退院をせまっているという。
家へ連れてきても、小さい子もいるし、どうしようもできない。まったく回復の見込みはないので、医者に安らかに死なせていただけないかと言ったら、それは出来ないといわれた。
そして、胃ろうにすれば、まだ入院を続けられるとのこと。
精神分析学の創始者で精神医でもあった、かのフロイトは数々の業績を上げた。しかし、83歳にして、最後は末期がんでもうこれまでと主治医に依頼して、モルヒネを打ってもらい、安らかに逝ったと伝えられている。
現代は、第一に生命尊重の時代で、医者はどうしたら死なないかに懸命だ。だが、人間に死は必ず訪れる。
世の中では、タブー視されているようだが、いまの医療はどこかおかしいと、みな心に思いながらも口には出さない。
安らかな死を迎えられるように、尊厳死の法制化を検討する時が来ていると思う。
福祉目的の消費税増税もいいが、人間の根本問題である生命のあり方に真剣に取り組む、勇気ある国会議員は、いまの日本にはいないようだ。