お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

椿まつり

昨日今日と二日間にわたって開かれる恒例の町の椿まつりに行ってきた。わが町は椿を町花にしていて、これを地域おこしのイベントの一つとしている。

町の会館を会場にして、種類が多いといわれる椿の展示会、盆栽展、生花展、即売会などが繰り広げられる。雨にもかかわらず、けっこうな人出であった。

町の名のついた椿もあって、これは白に薄いピンクのかったわびすけ系の花が咲く。我が家にある一本は植木屋からもらった苗が大きくなったものだ。

50年も前のこと、教育系の大学を卒業後、私は伊豆大島の中学校に赴任した。

大島は、紅い大島椿で知られている。島のあちこちに椿の林があって、その実から搾る椿油を特産品にしている。椿油はいっぱんに化粧品に使われるようだが、椿油で揚げたてんぷらは最高に美味しい。私は、島の菜っ葉アシタバのてんぷらが大好きだった。

伊豆大島は活火山の三原山が観光の看板になっているが、これは気候のいい時期だけで、冬は観光客が絶える。
そこで、町は冬から春先にかけて咲く椿の花に目をつけ、椿まつりと称して宣伝し始めた。

住んでみたらわかることだが、椿の花が咲くこの時期、島は西風が強く吹き、悪天候の日がだいたい多い。
宣伝に乗せられて、気の毒な目にあっている観光客をおおぜい見てきた。家内の亡父が、新調の背広を着て、島の旅行に出かけ、ビショ濡れになって帰ってきたという話を結婚してから聞かされた。

よく新聞記事に、どこそこの梅が咲いたとか、どこの何が咲いたとか、写真入りで載る。

家内にせがまれて行ったが、ずいぶんだまされた。ほとんどがその走りで宣伝目的である。

テレビでも新聞でも、宣伝に乗るとバカをみる。