お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

伊勢神宮への眼差し

今日の講義は「伊勢神宮への眼差し」というテーマで、欧米人が神宮をどう思ってきたのかの話で、とてもおもしろかった。

現今の伊勢はトップレベルの観光スポットとなっていて、外国人の姿もめずらしくない。しかし、最初に訪れた人は「見るものがなく、また見せようともしない」と落胆するだけだった。
欧米人が高く評価するのは、世界遺産の第一条件でもある「真正性」(ほんものだということ)で、伊勢神宮は周知のとおり、20年毎に立て替えられるから、創建当時のものではなく、いわばレプリカである。

その評価を一転させたのが、ブルノー・タウトで、モニュメントの代表でもあるパルテノン神殿とも比較して、生きた建築物として、非物質的に連続しているモニュメントとはいえないモニュメントであるとした。欧米人がこの非永続性の中にある永続性を理解するようになるのは、東洋と西洋の長い対話があったという。そして、宗教性と皇室との関係性については、いまも埒外においているよう。

目に見える物は分かっても、その精神性となると、分かるまでにはまだまだ時間がかかる。