お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

幸せな一生

先におしゃべり会のS夫人のお話を載せたが、先月90歳の義母を亡くしたY夫人が寄稿してくれたので、紹介したい。

「感謝感謝でございます」 これは先月31日に亡くなった母の口癖で、母の日記には必ず出てくることばでした。
今年9月に入って、身体に浮腫みがあると施設の方から言われ、大きな病院に連れて行ってくれたところ、進行性の大腸癌が見つかりました。23日に入院できましたが、担当の先生から「お年がお年ですし、末期なので、手術はできません。延命治療も止めましょう。緩和治療をしていきましょう」と言われた・・・・しばらくは落ち着いていてくれるのかと思っていました。でも、着実にお別れは近づいていて、10月31日夕方、90年の命を精一杯生き抜いて、母は眠るように旅立たれました。
Y家は1男3女に恵まれ、各々の配偶者、孫達、ひ孫達を合わせると、今では24人になります。
20年ぐらい前のある日、その頃は20人で遊園地に行ったことがありました(団体扱いでした)。3女の旦那が「こんなに多人数だったら、誰か子供の一人くらい忘れてくるかもね」と冗談を言っていました。で、帰ろうと駐車場へ向かう時、そう言った本人が「家の息子がいない!」と走って園に戻って行きました。皆大笑いで、今でも語られる笑い話です。そんな人数でしたから、母はどの子供の家族にも心を配り、各々を何度も回っては、孫達の満足気な顔を見て、いつもニコニコしていました。
晩年は、母を訪ねてきた父や子供達、孫達を見ては、「まあ。今日は何て良い日でしょう!感謝感謝だわ。」と言っていました。その言葉を聞くと、私達は「出たね、やったー!」と喜びました。
あと1週間で91歳を迎えるはずだった母。夫は今月65歳を迎えましたが、その年になるまで、両親が揃って生きていてくれたこと。いつもニコニコ私達を見守っていてくれた母に、私達の方こそ「感謝感謝でございました。」

「終わりよければ、すべて良し」という。こういう幸せな一生を送られた人もいる。
何が分かれ道になるのか・・・心の持ち方しかないのではないか、そうしか思えない。

写真がないので、先日撮った兼六園の中から・・・