お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

レバノン戦争の話

今日視聴した講義は1982年のレバノン戦争の話だった。

1978年の第四次中東戦争に勝利して、エジプトとの和平条約を結んだイスラエルは、南が安定したため、北に勢力を向けて、レバノンのベイルートに拠点をおく、アラファトが率いるPLO(パレスチナ解放機構)壊滅作戦にでた。アラファトの武装勢力は船に乗って、チュニジアに退去したが、同時にレバノンに残った多数のパレスチナ難民が大量虐殺されるという、痛ましい事件(サブラ・シャティラ事件)が起きた。
一方イスラエル国内では、自国の生存に必要でない、この拡大戦争に反戦デモまで起きた。しかし、シリヤや多国籍軍まで巻き込んでの戦争は、レバノン政府がはじめた戦争ではないのに、レバノンの国土荒廃に終わった。
講師は、この戦争の結果生まれたとする変化を3点掲げたが、これは目から鱗であった。
①自爆攻撃という、新しい戦略がアラブ側で生まれた。ベイルートでアメリカ海兵隊宿舎爆破事件が起きた。爆薬を積んだ車が突っ込み、多数の死者が出たという。自爆テロはイスラム元来のものとするのは誤りで、これが始まりだとする。
②ハイテクのはじまりとする。この戦争でイスラエルのハイテク装備のF15、F16とシリアのミグ23の空中戦があった。結果はイスラエル空軍は82機を撃墜して、損害は0機、82:0の圧勝だった。これはパイロットの腕の問題でないことは明らかで、以後ソ連はペレストロイカを余儀なくされたという。
③さらに戦争の形を変えた。イスラエルは先の戦争でやられたソ連製の地対空ミサイル対策にドローン(無人機)を開発してレーダーの周波数を読み取り、爆破した。その後は各国が競ってドローンの開発製造に向かい、いまや偵察や爆撃に、実戦で使用されているのは周知のこと。飛行機に乗らないパイロットの養成に乗り出している。いまやドローン大国は中国とのことである。(国際政治において、南シナ海問題をはじめ、強気の態度をとる背景に、こういう中国の軍事力があるように思えてならない。)

今日の頂き物はMさんからの新米・・・A氏が田んぼを止めたので、あきらめていましたが、今年もありつけました。