お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

節分の日

節分を迎えて今日も雪が降ったが、もう明るい日差しの中に舞う春の雪。融けるのも早い。

家内が手抜きか、新聞のチラシに踊らされてか、今晩は「恵方巻」にするというので、買いに行った。

商売屋さんは、いろいろ考えるもんだ。
いわしをフライにした「節分いわし」とか、あんこを巻いた「あん巻」とかいうのもある。

いわしは、平安時代の風習で門にかざって、その臭気で鬼を退散させたとかいう。

いわしのフライは、子どもの時によく食べさせられた、お袋の味だ。それを買ってもらって、今晩は一杯のおかずにする。

豆まき用の大豆は売り切れていた。豆まきは、ここでは神社の行事であるが、私が覚えている渋谷時代には家でもやった。
夜になって、隣近所から大きな声が聞こえてくると、負けずに縁側の戸を開き、兄が豆をまきながら叫んだものだ。

「鬼は外、福は内」

いまはもう、しないだろうなあ!